【第2分科会 パネル報告】

 

政策・ジェンダー・世代・NPOの視点で見つめる女性の活動

社会へ届く活動を目指して(VOL.7)

 

司会:渋谷典子

 

デートDV110番:自然言語解析を援用した取り組み

長安めぐみ

 認定NPO法人エンパワメントかながわでは、チャットによるデートDVの相談を2020年度から開始した。デートDVは若者の3人に1人が加害や被害に遭っているとも言われており、大変身近な問題である。当該団体では、「命の危険度」を相談員がそのつど査定しているがその信憑性について、自然言語解析を援用し解析を行なった。今回はNPOの地道な取り組みを科学的な論拠を持って社会に届ける活動として報告する。

 


キャリア教育とジェンダー:若者対象キャリアデザイン講座「みらいカフェ」からみえること

近藤佳美

 浜松市の男女共同参画推進拠点あいホールでは、2017年よりワーク・ライフ・バランスの推進と女性の就業継続を目的とした若者対象のキャリアデザイン講座「みらいカフェ」を実施している。本報告では講座から見えてきた若者のキャリア選択におけるジェンダー規範の影響やジェンダー視点のキャリアデザインの可能性について考察する。

 


ジェンダーの内的抑制に着目したエンパワーメントについて:キャリア支援の実践から

藤井しのぶ

 

 遅々として進まないジェンダー平等の大きな要因である性別役割意識。これからの生き方を考える女性たちの中には、性別役割意識の内的抑制の度合いによって「自らの意思による主体的な自己決定」に影響を及ぼしている例は多い。女性が本来の力を発揮するために支援者はどう寄り添えばよいのか、姿勢や具体的な方策について、実践を通じて報告する。併せて、女性のキャリア支援におけるジェンダー視点の重要性についても検討したい。

 

 


公共サービスにおける「エッセンシャル・ワーカー」へのヒアリング調査分析

中村奈津子

 

 

 参画プラネットは2021年度に、公共サービスにおけるエッセンシャルワーカーのコロナ禍における現状と課題に着目した助成金事業を実施した。事業の一環として実施した6名へのヒアリングから見えてきた課題をジェンダー視点で整理し、公務の民間化や「女性活躍推進」の動きのもと不可視化されている課題も明らかとなった。今回は本事業の成果と課題を報告し、持続可能な社会へ向けた対話の機会を模索したい。